2012年5月19日土曜日

e−気象台:雲ができるまで


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雲ができるまで

ここでは、雲ができるまでのことと雲からふる雨について説明します。

雲のでき方をおぼえる前に、重要なことがあります。それは、みなさんが よく知っている「水(みず)」の変化のことです。

水蒸気を含んだ空気を冷やすと、ちりなどの空気中のゴミのまわりに、水滴が びっしりとついて、雲粒(くもつぶ)ができます。この雲粒があつまって、 雲ができているのです。雲粒はひじょうに小さな水滴なので、上昇気流で 空に浮かんでいることができます。また、弱い横風で流されることもありますので 雲が動いているように見えます。

では、どうやって、空気を冷やすのでしょうか。


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高い山に登ったことがあるとひとは、知っていると思いますが、 夏の暑い日でも高い山に登ると、温度がさがり涼しく感じることがあります。これは、 空の高いところへ行けばいくほど、気温(温度)が下がるためです。この気温の 下がり方は、100mあがるごとに約0.6℃低下します。このため、地上の 気温が30℃のときに1000mの高さの山の頂上は、温度が6℃低下して24℃ しかないことになります。

それは、水蒸気を含んだ空気を 空の高いところに持ち上げてやる必要があります。

空気を空の高いところに持ち上げるには、風の力が必要となります。 みなさんがよく知っている風は、横に吹いている風ですが、地球上には 上や下に向かって吹く風もあります。これをそれぞれ、 上昇気流(じょうしょうきりゅう)、下降気流(かこうきりゅう) と呼んでいます。

この上昇気流で空気を高いところに持ち上げることができるのです。

では、どのようなときに、この上昇気流が発生するかを見てみましょう。


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前線(ぜんせん)による上昇気流
寒冷前線(かんれいぜんせん)や温暖前線(おんだんぜんせん)などの 前線(冷たい空気と暖かい空気がぶつかるところ)では、 暖気流(だんきりゅう:暖かい空気)が寒気流(かんきりゅう:冷たい気流)に 押し上げられて上昇気流が発生します。暖かい空気は、たくさんの水蒸気を もっていますので、上昇すると雲を作ります。

みなさんがよく知っている前線では、梅雨前線(ばいうぜんせん)がありますが、 これも、雲がたくさんできることにより、たくさんの雨を降らせます。

低気圧による上昇気流
低気圧の中心付近では、上昇気流があります。この上昇気流により 地上付近の水蒸気をたくさん含んだ空気が上空に持ち上げられて 雲ができます。

低気圧の近くでは、雲が多く、雨などが降りやすいことに なります。また、台風は、低気圧が大きくなったものと同じため たくさんの雲を作ります。


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強い日差しによる上昇気流
陸地や山地が太陽の光で加熱されて、地上付近の 空気が上昇することにより、部分的な低気圧が発生します。このようにして 発生した低気圧を熱的低気圧(ねつてきていきあつ:ヒート・ロウ)と 呼びます。この低気圧も上昇気流がありますので、地上付近の 水蒸気をたくさん含んだ空気が上空に持ち上げられて雲を作ります。

夏の晴れた暑い日では、湿度の高い空気(=水蒸気をたくさん含んだ空気) が、強い上昇気流により高く持ち上げられるため、 大きな積乱雲(せきらんうん:かみなり雲)になることがあります。

山による上昇気流
平地で吹いている風が、山などにあたると、その斜面を駆け上がります。 このとき、平地の水蒸気をたくさん含んだ空気を運ぶと、その空気は 上空に持ち上げられ、雲を作ります。

いくつもの山がつらなった、山脈(さんみゃく)や山岳(さんがく)などでは、 気温が低いことと、その複雑な地形により 上昇気流や下降気流がよく発生するため、空気中の水蒸気の量により、雲ができたり なくなったりをひんぱんに繰り返します。このため、「山の天気は変わりやすい」と よく言われます。


次に、こうやって作られた雲がどうやって雨を降らせるかを見てみましょう。


これまで、見てきたように、雲ができるまでと、その雲から雨がふるためには、 空気中の水蒸気の量と温度、上昇気流が重要な働きをしていることがわかります。
また、逆に高気圧(下降気流)や空気中の水蒸気が少ないなどの条件となれば、 雲はできにくく、天気も晴れとなります。

気象庁や気象台の天気予報も、基本的にはこの、



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